超音波カッターNH7603のホーン内部を洗浄・研磨するメンテナンス方法【後編】

もくじ
超音波カッターNH7603のホーン内部を洗浄・研磨するメンテナンス方法【後編】
超音波カッターNH7603を長く快適に使うためのメンテナンス、今回は【後編】です。
前回の【前編】では、刃を固定するパーツの交換や、イモネジの管理について解説しましたが、後編では、カッターの心臓部ともいえる「ホーン」内部の洗浄・研磨方法について、詳しく解説します。
ホーン内部が汚れるとどうなる?
超音波カッターNH7603のホーン内部は、常に微細な振動を発生させて刃に伝える重要な部分です。
このホーン内部に、削った樹脂の微粒子や溶けた異物が付着すると、振動の伝達効率が下がり、切れ味が鈍くなります。
さらに、ホーン内部が汚れたまま使用を続けると、最悪の場合、刃の固定具がホーンの中で固着し、取り外しが困難になるだけでなく、本体やハンドピースの破損につながることもあります。
ホーンメンテナンスに必要なもの
ホーン内部の洗浄・研磨を行うには、以下の道具が必要です。
- ホーン研磨メンテナンスセット(専用の棒・専用研磨シート)
https://www.gontaya.com/product/222
- 綿棒(毛羽立たない工業用がおすすめ)
https://www.gontaya.com/product/1506
超音波カッター関連は、株式会社ごんた屋通販で購入可能です。
特にホーンメンテナンスセットは、専用サイズになっているため、他の道具では代用が難しいので注意してください。
ホーンの洗浄・研磨手順
- 固定具を取り外す
ホーン内部には刃を保持するための固定具(筒状の部品)が入っています。
これをまず慎重に取り出します。汚れている場合は、ピンセット等でゆっくり引き抜いてください。 - 研磨シートを棒に巻きつける
専用の研磨シートを専用棒にぴったりと巻きつけます。ずれないようにしっかり固定します。
- ホーン内部に挿入し、回転させながら研磨
巻きつけた棒をホーン内部に挿入し、軽く押し当てながらくるくると回転させ、内部の壁面を研磨します。強くこすりすぎると、内壁にダメージを与える可能性があるため、力加減は慎重に。
- 研磨後、綿棒で汚れや粉じんを除去
研磨が終わったら、工業用綿棒を使用して内部に残った粉じんや細かな汚れを取り除きます。 - 汚れが取れるまでは数回繰り返すと効果的です。
この一連の作業によって、ホーン内部は本来の性能に近い状態に戻り、刃への振動もよりスムーズに伝わるようになります。
メンテナンス頻度の目安
使用頻度によって異なりますが、以下を目安にしてください。
- 毎日使う方:1〜2週間に1回
- 週1〜2回程度使う方:月に1回
- 長時間連続使用後:都度点検・清掃
また、切断対象が樹脂や粘着系素材の場合、汚れが付きやすいため、早めの清掃が推奨されます。
ホーンメンテナンスで得られるメリット
- 刃への振動がしっかり伝わる
- 切れ味が安定する
- 本体やハンドピースのトラブル防止
- イモネジや固定具の固着防止
- 結果的に長持ち・コスト削減
日頃のちょっとした手間で、NH7603の性能と寿命が大きく変わってきます。
高価な工具だからこそ、しっかりとメンテナンスを行いましょう。
まとめ:ホーン洗浄は長持ちのカギ
超音波カッターNH7603を快適に、そして長く使い続けるためには、ホーン内部の定期的な洗浄が欠かせません。
前編で紹介した「刃の固定具」「イモネジ」の交換と合わせて、後編のホーンメンテナンスまで一通り行えば、カッターの状態はかなり改善されます。
分解・清掃の作業には慎重さが必要ですが、動画とこのブログを参考に、ぜひ挑戦してみてください。
次回は、超音波カッターでよくある不具合の対処法や、よくいただく質問にも答える形でご紹介する予定です。
前編のブログをまだ読んでいない方はこちらからどうぞ。
今回のブログをYouTubeチャンネルにて動画にて解説しました。
上記の記事内容をNORIの解説付きでしっかりレクチャーしています。