LEDを点灯させるために必要なもの

LED点灯の基本:必要な部品と抵抗値の計算方法
LEDを点灯させるには、以下の3つの部品が必要です。
- 電源(6Vを想定)
- 抵抗(適切な値を計算)
- LED(順方向電圧3Vの白色LED)
LEDの動作原理と抵抗の役割
LEDは特定の電圧(順方向電圧:VF)がかかることで発光します。今回のLEDはVF=3Vのため、電源6VをそのままLEDに流すと、電圧が高すぎて壊れてしまいます。
そこで、電源の6Vのうち3Vを抵抗で消費し、LEDには適正な3Vを与えます。
抵抗値の計算
電流を20mA(0.02A)とすると、オームの法則(V = IR)を使って抵抗値を求めます。
R = V / I = 3V / 0.02A = 150Ω
つまり、150Ωの抵抗を使えば、LEDが適正な電流で光ります。
建物の高さでイメージする
より分かりやすくするために、電圧を建物の高さに例えます。
- 電源6V → 6mの建物
- 抵抗の消費3V → 3mの建物
- LEDのVF3V → 3mの建物
このように、電源の6mの高さから3m分を抵抗で落とし、LEDにはちょうど良い高さ(3m)が届くようにするイメージです。
電流を増やした場合
仮に電流を40mA(0.04A)に増やした場合、抵抗の電圧降下はどうなるでしょうか?
オームの法則に従えば、電流が増えれば電圧降下も増えます。
V = IR = 150Ω × 0.04A = 6V
この場合、電源電圧6Vがすべて抵抗で消費され、LEDには電圧がかからず、点灯しません。したがって、20mAを超える電流を流さないようにすることが重要です。
補足:抵抗が消費するのは電流ではなく電力
「抵抗が電力を消費する」と言いますが、「電流を消費する」とは言いません。
- 抵抗の前後で電流は変わらない(直列回路の場合)
- 抵抗が消費するのは「電力(W)」であり、電流ではない
- 電力は「電圧(V) × 電流(A)」で計算できる
例えば、150Ωの抵抗では、
電力 = 3V × 0.02A = 0.06W(60mW)
この60mWは熱として抵抗から放出されます。
電池を長持ちさせるには?
電池が消耗するのは、電流が流れることで電力(エネルギー)が消費されるからです。抵抗を大きくすると、流れる電流が減るため、電池が長持ちします。
例えば、1kΩの抵抗を使った場合、
電流 = 3V / 1000Ω = 0.003A(3mA)
消費電力 = 3V × 0.003A = 0.009W(9mW)
150Ω(60mW)と比べて約1/6の電力消費になり、電池の持ちが大幅に向上します