LEDを長持ちさせる回路の工夫

もくじ
LEDとは?
LED(発光ダイオード)は、電流を流すことで発光する半導体素子です。
LEDの特性として、電圧ではなく電流によって動作が決まるため、適切な電流制御が必要になります。
抵抗を使ったLEDの駆動方法
LEDは一定の順方向電圧(VF)を持っており、例えば赤色LEDでは約2Vです。
12Vの電源でVF=2VのLEDを点灯させる場合、抵抗を使って電流を制限します。
計算式は以下の通りです:
R = (電源電圧 - LEDの順方向電圧) / 電流
例えば、LEDのVFが2V、電流を20mA(0.02A)とすると:
R = (12V - 2V) / 0.02A = 500Ω
LEDの寿命と電圧の関係
LEDに過剰な電圧がかかると、発熱が増え、寿命が短くなる可能性があります。
LEDのVFはほぼ一定ですが、電流が多すぎるとVFが上昇し、結果として過電流が流れてしまいます。
直列LEDのメリット
LEDを直列に接続すると、電流の変動が抑えられ、寿命が長くなる傾向があります。
例えば、2VのLEDを5個直列にすると合計10Vになり、12Vの電源を使用する場合、抵抗にかかる電圧は2Vになります。
R = (12V - 10V) / 0.02A = 100Ω
このように、直列接続では抵抗にかかる電圧が低くなり、電流の変動が少なくなるため、LEDの負担が減ります。
なぜ直列LEDは電流が安定するのか?
直列LEDが電流を安定させる理由は以下の通りです:
- 電圧の変動が分散される:1個のLEDに対する影響が直列接続により平均化される。
- 抵抗にかかる電圧が低くなる:抵抗の役割が小さくなり、電源変動の影響を受けにくくなる。
- 温度変化の影響が分散:LEDのVFは温度で変動するが、直列なら全体でバランスが取れる。
定電流回路(LEDドライバIC)の問題点
定電流回路は、理論上は最適な電流制御を実現しますが、以下のような問題があります:
- 発熱:スイッチングタイプのLEDドライバICは発熱しやすく、故障の原因になる。
- 高速点滅:PWM制御によりLEDが高速点滅し、用途によっては不適切な場合がある。
- 信頼性の問題:スイッチング素子やコンデンサの寿命が短く、過電圧や過電流に弱い。
このため、定電流ICを使わず、適切な抵抗設計でLEDを駆動する方法が推奨される場合もあります。
結論:LEDを長持ちさせるには?
- LEDは電流の変動に敏感なので、直列接続すると安定しやすい。
- 抵抗制御はシンプルで壊れにくいが、適切な計算が必要。
- 定電流回路は理想的だが、発熱や寿命の問題があるため注意が必要。
LEDを長持ちさせるためには、適切な電流制御と回路設計が重要です。
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