車用LEDランプ・制御ユニットの耐久性と不具合の原因
近年、安価な車用LEDランプや制御ユニット(流れるウィンカーなど)が短期間で故障するケースが多く報告されています。
特に、低価格帯の製品では基板やはんだ、電子部品の品質が低いことが問題となっています。
今回は、これらの製品がなぜ長持ちしないのか、不具合の原因を解説し、信頼できる製品を選ぶ方法を紹介します。
基板の品質の問題
LEDランプや制御ユニットの基板には、コスト削減のために低品質な素材が使用されることが多く、以下のような問題が発生しやすくなります。
- 基板の厚みが薄い → 振動や熱に弱く、クラックが発生しやすい。
- 銅箔が剥がれやすい → 安価な製品では銅箔の密着性が低く、はんだが剥がれやすい。
- 絶縁層が脆い → 高温環境で劣化しやすく、短絡(ショート)の原因になる。
はんだの重要性
工業製品のほとんどはリフローはんだ付けで製造されますが、安価なLEDランプや制御ユニットでは以下のような問題が見られます。
- クリームはんだの品質が低い → 振動や熱で浮いてしまい、接触不良を起こす。
- はんだの量が少ない → 耐久性が低く、割れやすい。
- フラックスの洗浄不足 → 残留フラックスが劣化を加速させる。
これらの問題を避けるためには、プロの手はんだを施した製品が最も信頼できます。職人による適切な手はんだ処理は、耐久性と安定性を大幅に向上させます。
LED素子の品質
LEDそのものの品質にも大きな違いがあります。
- 低品質なLEDチップの使用 → 劣化が早く、明るさがすぐに低下する。
- 放熱対策が不十分 → 過熱によるLEDの寿命短縮。
- 樹脂カバーの黄ばみやクラック → 紫外線や熱による劣化で光量が低下。
長持ちする製品を選ぶポイント
以上の問題を踏まえ、長持ちするLEDランプや制御ユニットを選ぶポイントを挙げます。
- 基板がしっかりした製品を選ぶ(ガラスエポキシ基板、適度な厚みのあるもの)
- 手はんだ仕上げのものを選ぶ(信頼できる職人が手作業で仕上げたもの)
- LEDの放熱対策が取られているものを選ぶ(アルミヒートシンク付きなど)
- 制御回路が適切なものを選ぶ(保護回路の有無、適切な電流設計)
まとめ
低価格帯の車用LEDランプや制御ユニットには、多くの品質上の問題があります。そのため、長持ちする製品を選ぶには、基板の質やはんだの精度、LEDの放熱設計に注目することが重要です。
特に、プロの手はんだが施された製品は最も信頼性が高いと言えます。多少価格が高くても、長期間の使用を考えれば、信頼できる製品を選ぶことが最善の選択です。